新年度を迎える先生向け。読むべき学級経営本&手帳25選!!

もう、3月も下旬になっちゃいましたね…。この1年も過ぎるの早そうです。

学校の先生にとっては、年度の大きな区切りになる3月。新年度を迎える前に先生が読んだらいいなと思う本を、まとめてみました。私は学級経営を中心に年間計画をすすめていく高校で、家庭科を教えています。

教育書

特に、4月は教員にとって勝負の時!!!新年度の初めの3日、30日、90日で教室の役割を決めてシステムを作らないと後々大変になってきます。

では、よかったらどうぞ~。

目次

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心がまえ編

教師になるということ

教師を目指している人は必読の書。教員でも、今行っている自分の仕事の整理、再確認にいいかもしれません。

しかし、学校の仕事の多さ、新任教員がいきなり担任を持ってプロとして仕事しなければならないのはどうにかならないかしら。しかも大学には「学級担任を行うための授業」は基本無く、でも教員が退職する理由は授業がうまくいかないということは皆無で学級経営や人間関係に限界を感じてという理由がほとんどです。

池田先生のすごいところは、指導が困難と感じる生徒をギフトとして受け取っているところ。こんな先生になれたらなぁー。

教師向けライフハック編

なぜか仕事がうまくいく教師の7つのルール

職員室の雑談の中で養われるような心がけをコンパクトにまとめている本。

計画的に仕事が出来ているとしたら無能だと周囲から思われている証拠。オトナの計画的とはやらねばならない仕事をすぐに終わらせること。確かに、自分の予想とは別にドカドカ仕事が落ちてくるなぁ。自分の悩んでいることは歴史のなかで初めて悩むことでもなく終わりに悩むことでもない。周囲に相談することが大事。

テレビドラマ的な教師はダメ、個人を救うのではなく集団を救うこと。教師は生徒の全人格に責任を負うのではなく勤務時間に責任を追うことなど。繰り返し読もう。

なぜかクラスがうまくいく教師のちょっとした習慣

教師のための自己啓発書。わかっているつもりでも改めて言われるとそうだな!!と思えるようなトピックがたくさん。

普段手のかからない普通の子に注目する、一日10回子どもの名前を呼ぶ、子どもを「できたかできないか」ではなく「伸びたか伸びないか」で判断し評価する、など。

プロ教師のための10箇条は必読です!見開きであっという間に読めます。イラスト笑える。何より元気が出る!!しかし、教員が本を読まないからか、読みやすさ薄さ重視の教育書が最近やたら増えたね。もう少しお値段が安いと嬉しい。

3月中に読んどこう!学級経営本

小学校向け ゼロから学べる学級経営 ―若い教師のためのクラスづくり入門―

おそらく小学校の先生向けの学級経営指南本。教育学部出身でないのでわからないけれど、私自身は学級経営自体を大学で学んだことがなくとにかく経験や周囲の先輩から学ぶしかなかったので最近はいい本が多いなぁという印象です。

この本も薄くて学級経営の原則がしっかり書かれているので分かりやすかったです。学級経営にかぎらず、何かを指導する時には「ゴール」とそれに向かうための「システム」を意識すべきとありました。

自分の勤務先ではこんなふうに上手くいかないけどね…。多くの先生も悩みながら頑張ってるんだろうなぁ。

中学校向け#1 「学級開き」魔法の90日間システム

中学校で著者が実際に学年主任として過ごした1年間を元に構成したもの。「3・7・30・90」日間システムを提唱している。

最初の3日で心理的距離を縮め、7日間で学級ルールを確立する。残りの30・90日で学級、授業のルールを定着させる。中学は教科担任制であるので小学校より時間がかかる。このシステムを「なぜ」するのか、哲学がしっかり書かれている。

「なんとなく」の指導が多いことを反省。また、学年では指導を標準化して、クラスによって指導のずれがないよう4月に1年間を見越した文書を出している。こんな風にできたらな~。

中学校向け#2 学級経営10の原理・100の原則―困難な毎日を乗り切る110のメソッド

中学校の先生による学級経営本。例えば、席替えを偶然(要はくじ引き)に任せないこと。確かにあの子はできたら前のほうがいいんだけど、とかコチラがやきもきすることがある。席によって不登校が生じたりもするのだから、偶然に任せず生徒が安心してすごせる座席にしないと。

あと、リーダー育成について。雑用ばかりさせてない?もしあなたが校長から雑用ばかり申し付けられて、ボランティアだったらどう思う?…反省です。

教室で意見が出ない状況、職員会議で自分は発言しているか?など自分と置き換えることなど、簡潔に書かれていて読んでよかった本でした。

中学校向け#3 生徒指導10の原理・100の原則―気になる子にも指導が通る110のメソッド

とってもシンプルに、原理原則が書かれていて忙しい先生でもすぐ読める!指導のヒントが満載!!実際、生徒が暴力をふるったり、危険なシーンも良くあること。後ろから回って押さえる…確かに!

全体像、事実を確認するまでは指導に入らない。事実確認の仕方、教員は自分のキャラを心得て指導に入る。強面の指導が最終進化ではなく父、母、子ども型の指導をバランス良く配分し、チームで当たること。

従来の指導では通用しない現状をよく分析していてとても納得!職場に一人一冊配って指導の確認をしたいと思うほどの本でした。

高校向け 高校教師のための学級経営365日のパーフェクトガイド できる教師になる! 3年間の超仕事術

学級運営の基礎基本が過不足無く掲載されています。忙しい教師でもすぐ読めるように箇条書きだったり、見開きで内容が完結していたり、それだけではなく、それをなぜするのか?と、中心になる考え方もしっかり載っています。

元々、実践記録が5年で500枚にのぼり、記録の一部をマニュアルにしたところ同僚から大好評、それらを書籍にしたそうです。やっぱり記録は大事!

高校教師のバイブルになること間違いなしでしょう!今年はこの本を参考に教室整備、クラス開きを行いました。提出物チェックを生徒自身ができるようファイルを作る、床に机の位置を決めるガイドを書く、名前のマグネットシートを作ったら1年間とても助かりました。参考になりすぎて家と職場に1冊ずつ買っちゃった。

授業づくりの参考に!

インストラクショナルデザイン―教師のためのルールブック

この本、大好きで家と職場に1冊ずつあります。何かを教える人、先生は必読の書。

インストラクションとは、「何かを教える」こと。何らかの行動を引き出すための仕掛けであり、インストラクションが成功するためにはデザインが不可欠である。学び手は常に正しい。学生の間違いは、教え手の説明が分かりにくかったり、解説が不十分だったりすることが原因。「わかりましたか?」で安心してはならない。

教える前に定期テストの問題を作っておくと、自分が何をどれだけ教えなければならないのかはっきりする。意外とこれができてない!気をつけよ。

成功する『学び合い』はここが違う!

『学び合い』を中心としたアクティブ・ラーニングについて書かれています。目標と学習と評価の一体化って当たり前のことなんだけど、この本に書いてあるように後出しじゃんけんになってしまうことがよくある。

なぜ今日の学習をするとこのことが理解できるようになるのか、はじめに教師が生徒に語ることができているかというと本当にごめんなさいだなぁと思うところ多々ありです。

どういう状態になったら学び合いが成功しているのか読んでみるとよくわかります。学び合いは小学校を中心に広まっているので、高校で学び合いをする仲間がほしいところです。

わかったつもり 読解力がつかない本当の原因

具体的な小学校低学年の国語の教材の解釈から、さらっと文章を一読しただけではたいして内容を理解していないことに気がつかされる。著者が書いたセリフや説明にそれぞれ意味があることが解説からよくわかります。一体国語は何を教えているのか疑問が出てくるほど。国語の先生だけでなく、日本語で授業をする人はみな読んだら良いと思う。

センター試験の問題についても検証する章があり、国語の読解問題にハテナがついていたのが解消された。

普段の読書でここまで読み込むことができるかなぁ。それだけの価値がある作品を最近読んでない気がした。

学級経営・中級者向け

クラスづくりの極意―ぼくら、先生なしでも大丈夫だよ

尊敬する埼玉の小学校教師ゴリさん(イワセン)こと岩瀬直樹先生の著書。アマゾンだと表紙が古臭くイマイチ?に感じられたのですが、これは!!!読んでよかったーー。

副題が「ぼくら、先生なしでも大丈夫だよ」!本の中の生徒の言葉。「来年のクラス、担任がイワセンじゃなくてもいいと思ってるんだよねー。今年自分でやってきたことを新しいクラスでどこまで出来るか試してみたいんだ」

教員って、「○○先生がよかったのに」って生徒に言われることを期待して、評価軸にしてしまっている人が多い気がする。そういう意味でも画期的☆良書。

今日から始める 学級担任のためのアドラー心理学

教育関係のアドラー心理学の本では一番読みやすいし、アドラー心理学への理解がさらに深まった気がします。

仕事で行き詰まっている時に読んで、ちょっとココロの拠り所にしてました。子どもたちの不適切な行動には、注目、感心を引く、権力争いをする、復讐する、無気力、無能力を誇示する、とどんどんエスカレートしていくのですが、この本を読んで頑張ってみてもこのような不適切な行動が止むことはなく…。

この本に出てくる先生たちも厳しい環境の中で頑張っていて勇気をもらえるのですが、まっただ中にいるとただ辛いばかりです。また再読します。

学級集団づくりのゼロ段階―学級経営力を高めるQ‐U式学級集団づくり入門

薄くて読みやすい学級経営本。生徒に簡単なQ-Uというアンケートを行い学級の集団状況が適切な状態であるかどうか判断することが出来ます(アンケートは別売り)。

日本の教員は学習指導と生徒指導を一緒に行い、アメリカでは学習指導は教師、生徒指導はガイダンスカウンセラーが行うのだそうです。そのため、日本では学級集団の生活態度の悪化が教育的な環境の悪化に繋がりやすい。

居心地がよく、やる気のある集団にするにはどうしたらいいか?いくつかの手立てが載っていますが、ここまで集団について考えて生徒を育てていくって大変…。アメリカみたいに役割を分けられないかなぁ。

クラス全員がひとつになる学級ゲーム&アクティビティ100 (ナツメ社教育書ブックス)

B5サイズでボリュームたっぷり。丁寧な解説イラストつき、見開きで1つのアクティビティの方法を知ることができます。朝の会、学活などでクラスづくりのために取り入れてはいかがでしょうか。この内容でこのお値段は本当にお得です。

ただ問題は、実践できるか?ということ。小学校だったら絶対に取り入れるんだけど、高校は厳しいな~。部活や生徒会活動など、少人数だったりある程度意思疎通ができている相手なら問題なくできると思います。

HRだとできる気が全くしないのですが…「目的」ではなく「手段」として、うまく活かせるためにどうしたらいいか考えてみたいと思います。

生徒理解のために

発達障害の子どもたち (講談社現代新書)

発達障害について、臨床医である著者が関わった子どもたちのエピソードをもとにわかりやすく解説した本。

どんな本を読んだらいいの?と聞かれたら一番にこの本をおすすめします。何十冊か読んだ発達障害関係の本の中でも、ほぼ全てを網羅している良本。必ずクラスに1,2人は発達障害の子どもがいます。

教員は学校に適応し、評価されてきた人が職業として選んでいるので適応できない子を理解できない可能性があるかなと。さまざまな困難を抱える生徒を理解するためにぜひ一度は目を通してもらいたいなと思いました。

通常学級での特別支援教育のスタンダード

日野市の小中学校の先生にチェックシートを記入してもらい、できていない部分について全校で取り組んだ実践を集めた本。A4、300Pというすごいボリュームですがその価値はある!こういう教育を受けてきた生徒が高校に入ってユニバーサル授業がでなかったら失敗経験、叱責経験も多くなってしまう。

高校もユニバーサルデザイン授業について学ぶべき。

教育の本質とは異なるところ、たとえば漢字が読めなくて学びから遠ざかるなんてもったいない。個人的には発達障害は「理解と支援が必要な”個性”」というコラムに共感しました。チェックシートも必見!

先生向け教育読み物

教師の資質 できる教師とダメ教師は何が違うのか? (朝日新書)

ドキッとするタイトル。できる教師とは、「学級経営が上手で、学級に安心・安全な雰囲気を作ることができる」「子どもたちの能力を高めることができる」子どもたちにどんな力が必要か見極め、その力を伸ばすことができる教師。

教師の9割は、同僚や管理職に相談できる人がいない。これは民間企業に勤めている人よりも著しく少ない数字。同僚や管理職に相談しても、共感してもらえなかかったり、それはあなたの指導力不足なのではないかと言われてしまい、心を病む教員が多い。

子どもたちの将来のためにも、安心して教育できる環境をのぞみます。

教師のためのソーシャル・スキル―子どもとの人間関係を深める技術

仕事で悩んだ時に読んでいた本。

「子どもたちとの対応がうまい教師と、そうではない教師とには、能力的に大きな違いはない。子どもたちの実態を受け入れ、それに応じて、一つ一つ具体的対策を取り入れているかどうかの差である」

「教育困難校では、生徒を一人の人間としてその存在をしっかり受け止めてあげられる『教師の人間的魅力』、授業に興味を持たせるための『教師役割の魅力』もかなり重要になってくる。学習する内容、授業の展開の仕方など、細かな配慮が求められる」

結局どっちもってことなんだな…。12年前の本ですが今でも通用します。

教育幻想

普段仕事していて感じるモヤモヤが全て言語化されてわかりやすい説明にとてもガッテン!

キーワードは、事柄と人柄、共通基盤と先生のプロデュース領域、ルール関係とフィーリング共有関係、管理と自由…と、教育はどちらか極端に触れすぎる。

いま、自分がどんな立場で指導しているのか自覚が必要。学校の目的は何なのかなど付箋貼りまくり。教育に興味のある人にはぜひ読んでもらいたいし、読んだ人と感想を交わしたいです。

せんせいのつくり方 “これでいいのかな”と考えはじめた“わたし”へ

先生のあり方を、とってもやさしい言葉で書いた本。自分の実践、これでいいのかな?って内省できる教員でありたい。

そのために、この本の中ではいくつかのワークが用意されています。例えば、昔好きだった先生と嫌いだった先生の違いは?先生の仕事としていまやっていることは?(導く、怒る、伸ばす、促す、育むなど)私達がもっている思い込みってなんだろう?

こんな先生と過ごした生徒が成長したら、より素敵な教育の実践者になるんだろうなぁといつも思います。そして己の無力さを知る…。今年はなんとか頑張りたいです。

教育という病

Amazonのほしい物リストに入りっぱなしでした。組体操、2分の1成人式など、教育でスタンダード化している行事などに対して「それでいいの?」と疑問を呈している本だそうです。Amazonの内容説明より。

私たちが「善きもの」と信じている「教育」は本当に安心・安全なのだろうか? 学校教育の問題は、「善さ」を追い求めることによって、その裏側に潜むリスクが忘れられてしまうこと、そのリスクを乗り越えたことを必要以上に「すばらしい」ことと捉えてしまうことによって起きている!
巨大化する組体操、家族幻想を抱いたままの2分の1成人式、教員の過重な負担……今まで見て見ぬふりをされてきた「教育リスク」をエビデンスを用いて指摘し、子どもや先生が脅かされた教育の実態を明らかにする。

おまけ・お役立ちアイテム

スクールプランニングノート

使い始めて3年め。学校で配布される指導計画よりも使いやすいです。

中身を紹介しているリンクです♪>>新年度が始まる前に、先生向け仕事手帳のおすすめ「スクールプランニングノート」を手に入れよ!

学級経営ノート―小学校・中学校編

どんな中身なんだろう?といつもAmazonのオススメに出てくるたびに気になっていました。

2017年度版を購入してみたので、春休みに書き込んでおこうと思います。

中身はこんな感じ(私が運営している別ブログに飛びます)>>[便利]4月を制するものは1年を制す!書き込み式で安心「ホームルーム経営計画ノート」

まとめ

仕事に悩んだときに読んだ本ばかりです。

でも、教育の本をたくさん読んだからといって、いい実践ができるわけではないのです。読んだ本の通りに子どもたちが動かないのは当たり前!

「目の前の子どものことは、本には載ってない」

育児でも肝に銘じている言葉です。4月からはじまる新年度に向けて、新たに出会う生徒のために可能な限り準備していきたいですね!お互い頑張りましょう!

教育系の記事はこちらのブログで読めます♪>>ブログ「まなびと!」

ではまた☆

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